
社労士試験科目の中でも最難関と言われるのが一般常識科目です。
非常に得点に結びつけるのが難しく、毎年この科目、特に労働一般常識の選択式でつまずいてしまう受験生が多くいます。
この記事ではそんな一般常識の出題傾向や勉強法等に関して、難しいとされている理由とも絡めながら見ていきます。
そもそも一般常識とは?

一般常識には①労働一般常識と②社会保険一般常識があります。
一般的に難しいとされているのは①です。理由としては学習範囲がとても広い割には出題数が少なく、どの分野から出題されるのかの予想がしづらいという点にあります。
つまり勉強時間を多く割いてもあまり得点に結びつかない側面があります。
そして試験では選択式で①②それぞれ5問ずつ1つの科目として出題されます。また択一式では①から5問、②から5問という形で出題されます。
①の出題傾向として、選択式では各種統計や調査、データといったところから幅広く問われます。
択一式では1問~2問が法令からの出題で、3~4問は統計等から出題されます。
②は選択式では厚生労働白書からの出題が多く、択一式では法令からの出題が多いです。
よって労働経済や厚生労働白書の勉強も行い、ニュース等にもアンテナを張っておく必要があります。
このように対策がしにくく、何をどれだけ勉強すれば良いかが見えにくい要素が多くあります。
一般常識の出題傾向や出題されるポイントは?

労働経済
労働経済に関しては①雇用関係、②賃金、③労働時間・休日関係等から幅広く出題があります。
①は労働力調査、②は毎月勤労統計調査や賃金構造基本統計調査、③は毎月勤労統計調査や就労条件総合調査から出題されています。
また、過去には労務管理や雇用管理、労働経済用語関連の出題もありましたが、しばらく出題はされていません。
なお、労働組合組織率や障害者実雇用率に関しても出題傾向が強いです。
厚生労働白書
厚生労働白書からは若年者・高齢者の就業構造や医療・介護等の社会保障をテーマとした出題が多く見られます。
特に社会保険一般常識の選択式と択一式で多く出題があります。
制度の変遷等、その歴史を問われることもあります。
また、その年の出題からは前年の白書から出題される傾向が強いのも特徴です。
選択式、択一式共にここ数年での出題が散見されますので、心構えとして白書対策は欠かせなくなっています。
労働経済白書
労働経済白書からは主に就業形態、働き方等に関して出題が多く見られます。
年齢層別や性別で就労に関してどのような違いや特徴があるのかを問うことが多いです。
労働一般常識からの出題がほとんどで、この6~7年くらいでその傾向が見られるようになっています。
こちらもその年の出題は、厚生労働白書同様前年の労働経済白書から問われる傾向にあります。
一般常識の具体的な勉強方法は?

労働経済
どんな調査があり、どの項目がどの調査に属しているのかやその数字やパーセンテージ等の傾向を大まかに把握することが大切です。
あまり細部にこだわらずに大体の数字で押さえましょう。
また労務管理や雇用管理、労働経済用語関連の出題もずっと出題されてはいませんが、軽く目を通しておくくらいのことはしておいたほうが良いでしょう。
また、労働経済分野が選択式で問われても対応できるようにしておく必要があります。
厚生労働白書
厚生労働白書の勉強方法としては予備校の白書対策講座を利用したり自分でもニュースや新聞に目を通しておくことがベストです。
過去問演習も無意味ではありませんが、繰り返し出題される可能性は低くあまり対策にはなりません。
また、時間があればホームページを利用して白書を読み込んでおくのも有効です。
そして細かな数字を覚えるのではなく、ざっくりした数字や上昇傾向や下降傾向を押さえましょう。
こちらも選択式でも数字が抜かれたりすることもあるので、その対策もしておきましょう。
労働経済白書
労働経済白書の勉強方法としても予備校の白書対策講座を利用するのは手です。
働き方改革やワークライフバランスが注目されている昨今、新聞やニュースをよく見ておくことや労働市場の動向を把握しておくことも重要です。
こちらもあまり細かな数字等にこだわり過ぎず、大まかな数字やその上昇や下降の傾向はどうかを押さえることを意識しましょう。
数字の傾向等も主観的にどうかではなく一般的に考えてどうかということも大切です。
やはりこちらに関しても選択式の対策はしておきましょう。
最後に 一般常識は社労士の勉強全体でどれくらい重要?

一般常識は社労士試験の勉強上あまり費用対効果の高い科目ではありません。
勉強時間を多く割いたからと言ってその分得点に結びつくというものではありません。
ポイントは広く浅く学習すること、統計や調査のデータはざっくりとした数字を覚えることです。
あまりつきつめて勉強する必要はありません。
最低基準点は確保できる程度の勉強に留めたほうが得策です。